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大阪北部地震を振り返る
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今回の大阪北部地震は、2018年6月18日午前7時58分に発生しました。マグニチュード6.1、震源の深さ13kmということであります。死者は4名出ており、大阪市でブロック塀の崩落に巻き込まれ80歳男性が、高槻市でブロック塀の崩落に巻き込まれ9歳女児が、茨木市で本棚の下敷きになり85歳男性が、高槻市で66歳男性が地震により亡くなっており、幼児と高齢者で犠牲者が出ていることが分かりました。

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特に、大阪府の高槻市、枚方市、茨木氏、箕面市、吹田市等で建物等の物理的被害が集中しています。2018年7月の内閣府の発表によると、住宅被害は、前回が9棟、半壊が87棟、一部破損が24631棟、非住宅被害は686棟となっています。

http://www.bousai.go.jp/updates/h30jishin_osaka/index.html

被災家屋の大部分を占める一部損壊ですが、一部損壊被害には、全壊や大規模半壊、半壊を対象とする被災者生活再建支援法が適用されず、また災害救助法の適用もありません。

大阪府は、一部損壊でも対象となる府独自の被災住宅無利子融資制度を開始しました。避難所から自宅に戻れないというような一定条件を満たす被災者に対し、賃貸住宅を「みなし仮設」として提供することも始めております。その他、大阪府高槻、茨木両市でも市独自の支援策を講じるようになってきています。

高槻市の場合を見てみます。被災家屋の大部分を占める一部損壊の場合、受けられる支援に関しては、まず被災者支援センター、ボランティア・市民活動センターで各種の相談を受けてもらうことができるそうです。給付・福祉に関することでは、納税相談、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険の保険料の減免、義援金があるようです。また住まいの復旧に関して、一部損壊等住宅修理支援という支援金制度があるようです。

 屋根に損壊がでている家屋では、応急処置としてブルーシートを張る必要があります。さもないと、降雨の際には更に被害が拡大するからです。一度乾いた建物内部が再度濡れてしまうと、カビが発生し、その後の対応がまた大変なこととなります。その辺りのことを理解し、すぐに手を打つことができる人は、自分達でブルーシートを張ってしまったり、業者に頼み込んで対応したりすることができます。しかしそうでない人は、どうしてもその対応が後手になりがちで、放置されてしまっているケースが少なくありません。

ブルーシート張りに精通するプロボノ支援者(特定のスキルを有し、そのスキルを活かして無償支援を行う人たちとのこと)は、ブルーシート張りに慣れていない地元の建設業者に対して無料で講習会を行い、費用をかけずしてそのノウハウを獲得した地元建設業者が被災住民から有償でブルーシート張りを行い、無償でノウハウ提供したプロボノ支援者は、無償のまま被災住民のブルーシート張りを継続しているという矛盾も生じています。

応急対応の後には、住宅修理という恒久対応が必要となってきます。そこで、その費用負担を自力でできる人は一部の人に限られます。多数の被災者にとって、その費用負担が重いものとなりがちです。前述したように、高槻市のように基礎自治体では、一部損壊家屋向けに独自の支援金制度を設けているところもありますが、その情報の周知も十分に行われているとは言えません。(設けているとはいえ、支援額は最大5万円でしかないのですが。)被災者の多くは高齢者で、インターネットを使って行政のウェブサイトをチェックして情報を得るということができる人は残念ながら非常に限定的であります。

そうこうしている中、7月には西日本豪雨が発生し、豪雨災害による被害が広範囲に広がる形で発生してしまいました。そのため大阪北部地震のことに関しては、相対的にどうしてもインパクトが弱くなってしまい、人々の記憶から離れてしまってしまいがちです。こういう状況の中、大阪北部を中心に被災した人たちが、今後どのように住宅再建や生活再建を実現するか、難しい問題が今後も尾を引きそうです。